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  • オームコセミナーで当院スタッフが講演をしました

    2024年4月25日に品川のオームコ本社で「矯正歯科衛生士に求められる未来・デジタル化・ブラケット矯正を考える~」と言うタイトルのセミナーが行われました。以下の5つの医院のスタッフが講演し、当院(JOY矯正歯科クリニック)の白井主任も講演を行いました。ミーティングには全国の矯正歯科のスタッフが多数参加し、発表者と参加者の間で活発な意見交換が行われました。

    【講演したクリニック】
    ・大松矯正歯科クリニック(池袋)
    ・オーラルデザイン下北沢・矯正歯科
    ・ひいらぎ矯正歯科(明石市)
    ・JOY矯正歯科クリニック(横浜)
    ・はしば矯正歯科(用賀・長野)

    これらの矯正歯科クリニックでは、デジタルツールの導入、患者さんおよびスタッフとのコミュニケーションの改善、院内環境の充実、そしてインシグニアの治療技術の向上を通じて、患者さんの満足度UPとクリニックの効率化を高める取り組みが行われていました。


    白井主任より

    日々の診療の合間や休日にプレゼンテーション資料を作成することはとても大変でしたが、「分かりやすく伝える」を意識したことによって私自身が改めて再認識することも多く、とてもよい経験をさせていただきました。お声がけいただいたオームコ様、任せていただいた院長に感謝致します。たくさんの学びを医院に持ち帰りさらなる技術を患者様へお届けできるよう今後も精進してまいります。

  • 【マウスピース矯正の広告】「それはダメだろ・・」と矯正医福山が思うホンネ!迷える患者さんに知ってほしい5つのポイント

    マウスピース矯正のブランドはどれが良いの?

    JOY矯正歯科クリニック院長の福山です。
    今では、マウスピース矯正の種類は非常に多くなりましたね。少し検索すると20種類以上(インビザライン、スパーク、アソアライナー、シュアスマイル、クリアコレクト、キレイライン、スマイルトゥルー、Oh my teeth、hanaravi、Zenyum、hanaloveなど)のブランドがあるみたいです。
    そのため、「おすすめブランド」とか「ブランド徹底比較」といったサイトがたくさんありますね。それらのサイトでは、値段や特徴などを比較していますが、矯正歯科を専門としている私でさえ、それを読んでも何が違うのかよくわかりません(笑)。
    ですから、マウスピース矯正で治療を受けようと検討している患者さんは、なおさらその違いがわかるはずもなく、非常にお困りになると思います。もちろん、このブログではそれらの違いを説明して、皆さんを混乱させるつもりもありません。
    大手の○○ネコの○○〇運輸も参入してきていますし、これだけたくさんの企業が参入してきているということは、儲かる見込みのある業界ということなんでしょうね。

    ただ、以下のようなことを推奨するところは、矯正医として疑問があることは確かです。


    「お試しマウスピースも体験!」、「万が一効果が無い場合は全額返金保証」 これはダメだろ・・・

    最近、こんな文言をよく見ます。あたかもダイエットサプリや育毛剤みたいですね。ダイエットサプリなら別に効果がでなくても、飲んでも害になることも少ないと思いますので、まあ良いと思います。しかしながら、矯正医として声を大にして言いたい。「お試しは絶対にやめて下さい!」

    お試しマウスピースで歯を動かすと、かみ合わせも必ず多少変化します。一度変化したかみ合わせは、マウスピースを止めれば元に戻るでしょうか?・・結構な割合で元の状態には戻らないと思います。実際に、当院には「マウスピース矯正をやって下あごの位置が変わって咬めなくなった」と、相談にいらっしゃる方が結構います。経験のある矯正医ならだれでも知っています「お試しで歯を動かすのはとても危険」だということを。

    「万が一効果がない場合は・・・」ってどういうことでしょう?効果が出るように動かすのが矯正医の仕事ですが、上手くいかないこともあるよと安全マージンを取らないとダメな技術力なのでしょうか?この文言から、むしろ不安を感じてしまうのは私だけでしょうか・・。

    これらを推奨している歯科も、私にとってみればとても不思議なものです。「大丈夫かな?」、「よくトラブルが起きないな?」とむしろどのように患者対応しているのかを学びたいところです


    マウスピース矯正では、なぜ医療広告ガイドラインの違反事項満載なんでしょうか?

    私は、日本矯正歯科学会で医療広告ガイドラインにかかわる委員会に所属していた関係で、ホームページの医療広告ガイドラインについては他の先生よりも多少知識があります。マウスピース矯正に限ったことではないかもしれませんが、なんだか違反事項が多い医療機関が多いのです。日本矯正歯科学会の認定医以上の先生は、しっかりと倫理審査を受けているはずですので、ある程度は大丈夫です。ただ、矯正専門ではない全国展開している大型医療法人などでは日本矯正歯科学会に所属していない先生も多いと思いますので、派手な広告が多い気がします。

    000808457.pdf (mhlw.go.jp)

    上記の厚生労働省の解説書を見て頂くとわかりますが、「症例実績○○件以上」とか、「全国トップクラスの実績」とか「患者満足度〇〇%以上」とか、「○○プロバイダー」とか、「キャンペーン価格、モニター価格」とか全部違反事項です。

    医療機関のホームページと言うものは、原則「他の医療機関より優良である旨の記載は認められない」となっています。私としては「それもどうなの・・」と思った時期もありましたが、上記のように患者さんを不当に誘因する原因になるとして、禁止されているようです。ですから、派手な広告宣伝に誘因されることなく、しっかりと見極めて下さい。真面目にガイドラインを守っている先生のホームページは、逆にあっさりしたものです。でも、治療へ取り組む姿勢も真面目だったりするものです。


    マウスピース矯正は道具に過ぎません!使う人(Dr)が大事です!


    「マウスピースはただの道具に過ぎません。だれがどのように使うかが重要です」
    こんなことを書くと、「弊社の製品の特長をわかってないくせに、勝手なことを言うな」と各メーカーの方々や先生方にお叱りを受けるかもしれませんが、このブランドのマウスピースを使えば、上手く治り、こちらのブランドだと上手く治らないというわけではないと思います。マウスピース矯正の装置はあくまでも道具の一つに過ぎません。

    私は料理が趣味ですが、料理に例えると、「このブランドの包丁やフライパンを使えばだれでも美味しい料理ができる」というわけではありませんよね。まあ、多少は違うのかもしれませんが、具材をどのように切り、どのように味付けをし、どのように調理するかの方が影響は大きいと思います。それが料理人の腕や知識によるものであるというのは誰でもわかると思います。また、美容師におけるハサミなども同じだと思います。
    もちろん切れ味の良い高品質な包丁やハサミを使った方が良いのは当たり前ですが、それを使う人(料理人や美容師)の知識や技術の方が重要です。

    矯正歯科治療も全く同じです。その患者さんの骨格、口元やスマイルの状態、歯の大きさやむし歯の状態、歯並びの状態、顎関節や咀嚼筋などの機能的な問題を総合的に分析し、抜歯が必要なのか不要なのか、抜歯をするならどの歯を抜歯するか、どのように並べて、かみ合わせを作るかなど、いわゆる診断・治療方針立案というものが最も大事です。

    その上で、この歯の動かし方なら、マウスピース矯正でも可能なのか、ワイヤー矯正の方が効果的なのか、部分的なワイヤー矯正を組み合わせたマウスピース矯正なら可能なのかなどを考えます。

    次に、「マウスピース矯正が可能」ということになったら、「どのように歯を動かすのか」、「マウスピースのデザインはどのようにするのか」と言う設計図が大事となります。 その時点で、矯正力を加えると歯はどのように動くかといった矯正治療の専門的な知識や経験が必要になります。今は専門的な矯正治療の知識がなくても、AIがある程度のデザインを作ってくれますが、「こんな風に歯は動かないのになぁ・・」と思うことが多々あります。

    以前、Dental Xのモニター商法でたくさんの患者さんが訴訟を起こしている報道を目にしました。この報道でも、「世界一の症例数だから安心だと思って・・」とコメントしている方がいました。その時も「そんな嘘くさい広告でも騙されちゃうんだなぁ・・。ああ、やっぱり医療広告ガイドラインは必要なんだな」と思ったものです。その一件以来、「多くの患者さんがうまく治療が進まないで困っている」など、マウスピース矯正の印象が悪くなっていると思いますが、マウスピース矯正の方法や装置自体には、罪はありません。使っている人(Dr)が悪いのです。


    マウスピース矯正は、「全部のマウスピースを渡して、その後通院なし」ではまず治りません

    マウスピースの種類はあまり大きな問題ではないとお伝えしましたが、中には患者さんの通院は不要、自宅に届くものもあるみたいですね。または、最初から何十枚ものマウスピースを全部渡してしまい、その後は通院しないで確認しない先生もいるみたいです。 この場合は、なかなか難しいかもしれません。

    マウスピース矯正の場合、来院時に現時点のマウスピースにしっかりフィットしているかを確認することが重要です。また、フィットするようにチューイーというものを咬んでしっかりはめてもらうことも、重要です。

    そのようにしっかりと使って頂いても、図のように最初に計画した設計図通りに動かないことの方が大半です。左図では、青い線が治療計画通りの治療の進行のグラフです。ただし、治療計画通りに進むことは、めったにありません。大半が、赤線のように少しずつ計画よりズレを生じ、マウスピースの最終枚まで進んでも、計画の60%~80%ぐらいまでしか仕上がらないことが多いです。そこで、再スキャンをして追加のマウスピースを作製し、何回か繰り返して完成度を高めていきます。そのため、「マウスピースを渡してそのまま終わり」では、なかなかうまく治らないことが多いと思います。

    実際に、他院でマウスピース矯正を行って、思っていたように治っていないと言って当院にご相談にいらっしゃる方も増えています。お悩みの際はご相談にお越し頂ければと思います。